2024年の臭素(ブロム)市場の価格動向は、明確な「W」型を描きながら推移し、
年間を通して価格は大きく変動しました。
◎ 年間価格推移(W型)
年初の市場平均価格:24,800元/トン
年末の市場平均価格:21,900元/トン
年間下落幅:▲11.69%
※過去5年での価格水準としては歴史的な低位
価格:24,800元 → 18,200元(▲26.61%)
要因:
春節(旧正月)明け、メーカーは在庫消化を優先
下流(難燃剤・中間体など)の需要が低迷し、稼働率も低い
輸入臭素や海水臭素の供給が潤沢で、需給バランスが崩れる
結果として、1Qは単調な下落トレンドが続く
価格:18,100元 → 23,500元(+29.83%)
要因:
労働節(5月)前の備蓄需要
市場心理が強気に転換
一部メーカーの出荷調整による供給引き締め
価格帯:19,800~20,600元/トン
要因:
需要が回復しきらず、業者は慎重姿勢
販売側は在庫を手放したくない(惜売傾向)
しかし需要弱含みのため、大きな価格上昇には至らず
市場は供需の綱引き状態
要因:
メーカーの設備点検・メンテナンスによる供給減で価格上昇
しかし価格上昇に対し、下流の抵抗感が強く、需要が後退
結果、価格上昇は持続せず、再びレンジ内での推移に戻る
短期的には「震荡偏弱(上下変動しながら弱含み)」の可能性あり
一部下流分野(特にリチウム電池用添加剤や新型難燃剤など)の需要が回復する兆し
環境規制や安全点検の強化により、海水臭素や中小業者の供給が抑制される可能性
国内外の需要回復が遅れれば、価格の反発材料に乏しい
輸入臭素の流入継続や在庫積み増しが供給圧力に
メーカー側の稼働再開で供給量が増加すると、再度価格に下押し圧力
2024年は明確な「W」型で、複数回の上下動を繰り返しましたが、年間としては下落トレンド。
2025年は、「震荡运行为主(横ばい基調)」ながらも、下流需要の改善状況次第で緩やかな
上昇に転じる可能性もあります。