「BRICSに新たな活力を注入し、世界の平和と発展に寄与する。新興市場国と発展途上国の連帯と協力の新たな章を描くために尽力したい」加盟国の拡大を主導した中国の習近平(シージンピン)国家主席は24日、首脳会議が開かれたヨハネスブルクでの記者会見で、こう語った。
BRICSの新加盟国はエジプト、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、エチオピアの6か国。世界銀行によると、世界の国内総生産(GDP)に占める割合は約26%から約29%に増えるが、先進7か国(G7)の約44%に及ばない。
新生BRICSで唯一共通する戦略が、貿易で米ドルを使わない決済システムの促進だ。核開発を進めるイランは、経済制裁で銀行間の国際決済ができない現状からの脱却に期待を寄せる。イラン国営通信は加盟について、「米国の一国主義への対抗だ」と位置付けた。
国際通貨基金(IMF)に約450億ドル(約6兆5600億円)に上る債務を抱えるアルゼンチンは、米国の利上げの影響で通貨ペソが急落した。政府は米ドル流出を抑えるため、4月から中国からの輸入に人民元決済を導入した。