中国汽車工業協会(CAAM)の統計によれば、2023年上半期における中国の自動車輸出台数は前年同期比75.7%増の214万台だった。一方、中国の第1四半期(1~3月)の自動車輸出台数が日本の輸出台数を上回った。4月の輸出台数も増加傾向を維持しており、一部の海外メディアは中国が今年、日本を抜いて世界最大の自動車輸出国になると予測する。
中国は日本を超え、世界最大の自動車輸出国になる可能性が高い。中国自動車企業が国際市場で大きく拡大しているのに対し、日本企業の海外事業は安定的である為、中国自動車の輸出が日本を超えるのは時間の問題だとの見方である。
中国のEV車が先頭を走り、中国自動車産業が絶好調であることは世界中が知っている。EUは2035年までにガソリン車の販売を禁止することを決定しており、EVへの移行が急務の状況だ。グローバル自動車企業は、100年以上にわたり蓄積してきたガソリン車の優位性を見直さざるをえず、その衝撃は計り知れないものとなっている。 イギリスのメディアは、「ヨーロッパ市場において本当の意味で魅力的だといえるEVは、テスラの上海工場から輸出された『モデル3』や『モデルY』か、あるいは上海汽車集団の『MG』だ」と報じた。
比亜迪(BYD)として、これは歴史的チャンスであると。中国企業はEVのリードによって、積極的な海外戦略を取ることができる。実際、ほとんどすべての中国企業がこうした計画を矢継ぎ早に発表しているのだ。比亜迪(BYD)は、最近インドにも工場投資をする計画を提出したと報じている。そのほか、長安汽車は40億元(約780億円)を投じてタイに世界的な右ハンドル車の生産拠点を建設することを発表した。奇瑞汽車は、インドネシア、マレーシア、タイにそれぞれ工場を建設すると発表した。吉利汽車が同国に100億米ドルの投資を計画していることを明らかにしている。専門家は「EVは中国企業にとってグローバル展開を進めるきっかけにはなるが、そのプロセスは日本や韓国の企業ほど順調には進まない可能性がある」という。